前田真治 Shinji Maeda「weeding out」
¥110,000
ARTST_LINE series
マテリアル 和紙 柘植の印鑑 カーボン紙 ニヤト無垢材 (フレーム)
サイズ h700× w700 × d60mm(フレーム込み)
制作年 2022年
納品期間 約3週間
額仕様 ニヤト無垢材
備考 エディション5
チャデモの給電口を描いた実印を作る。
この作品は、印鑑に刻印するものが、現状日本国内のEV自動車 で使われている
急速充電のコネクターの規格で、チャデモというもの。
日本は、電気自動車を世界に先駆けて市販した国で、それによって 充電インフラも各所に設置され、コネクターの規格のチャデモも普及した。
世界的にEVが普及していき、テスラを初め、欧米や中国、韓国でも 開発、生産が活性化していく中で、当初はチャデモ規格に統一する という流れもあったが、結局各国が急速充電器のスペックを爆上げし、オリジナルのコネクター規格を採用する事で、チャデモは統一規格の 有力候補から外れた。
簡単言えば、開発スピードと政治力で完敗した。
右のイメージのような規格は今後淘汰される運命にありそうだ。
しかし、まだ踏ん張っている部分もあって何とかしなければ感は感じる。
そのような同じレベルで淘汰されようとしているものが日本にはあって、
それは印鑑だったりする。 請求書や領収書の類は完全に電子化され、
個人レベルの書類もサインで構わない 場合が増えている。
こちらも何とか踏みとどまろうとしているが、今後第一線を退くのは自明な気がする。
僕は日本のテクにロジーの残影を、印鑑という文化で培われ、去れ行きそうな母体に刻印し
哀れんでみようと思った。
作品としては、印鑑をあつらえ、日産リーフのアウトラインだけを描いた紙の給電口の部分に この落款を押す。
[製作内容]
上にも記載している通り、EV自動車のパイオニアでもある日産リーフ(初代)
のアウトラインをパソコン内でトレースし、それを出力。(サイズは、実際の給電口を100として、印鑑サイズが20なので、描く車のサイズも1/5とした)
出力した印刷物と和紙の間にカーボン紙をはさみ、トレースしたデータを手描きでなぞっていく。同じ手法で13枚今回は描いた。
それら13枚を少しずつずらしながら重ねてフレームで挟み込み一番上の和紙の給電口部分にチャデモの実印を押した。
なぞった紙を何枚も重ねたのは、失敗の後に着いて多用される動詞からヒントを得たものと、開発するプロセスのレイヤーを表現したかった為。
実際、一番上の紙から透けて見える線はせいぜい4、5枚までだが、その奥にも同じ線が幾重にも重なっている。
フレーム上部サイドに青いタグが挟まっているが、それは今回のレイヤーの最後を示す付箋のようなもので、その先にもいろんな重なりがあるという示唆。
タグの青は、リーフのメインカラーから。
前田真治 Shinji Maeda
1976年 生まれ
2001年 英国国立ミドルセックス大学芸術学部中退
2003年帰国、2005年より東京で作家活動。2012年から拠点を関西に移す。2012年にアーティストコレクティブ[GermanSuplexAirlines]活動開始。現在尼崎を拠点に活動。
主なグループ展
2022 「尼崎アートストロール」 /尼崎
2019 「六甲ミーツアート」/神戸
2018 「札幌アートステージ」/札幌
2015 「survery of contemporary Japanese Art」dillon gallery /ニューヨーク
2014 「A collective of Japanese Emerging Artist」ドイツ外務省/ベルリン
2012 「Art Miami」/マイアミ
statement
アートという表現の形がどの程度<日常>に寄り添えるのかを徹底的に考え、作品化し、
作品を通して社会の問題点を勝手に解釈し、演説を繰り返すような表現をしている。
I have been thoroughly considering the extent to which art, as a form of expression, can accompany 〈everyday life〉 , and putting them in my works.
Through my works, I have been interpreting social issues on my own, and expressing as if I were repeating a speech.